人は好意を持っている相手の頼みは断りにくくなってしまうこと
この法則は、非常にシンプルなもので、好きな人には「NO」とは言いにくいことです。セールスのコツは、相手に好かれることだとよく言われますが、嫌いな人から物を買うより、同じ物であっても好きな人から買いたいと思うのは、ごく自然な心理でしょう。例えば、見積もりは安いが態度が横柄で感じの悪い人と、見積もりはやや高いが素晴らしく好感の持てる人とを比較した場合、同じ商品であれば後者のセールスマンから買いたい人のほうが多いのではないでしょうか。
いわゆる「デート商法」もこの法則の応用です。ターゲットが男性であれば、何らかの方法で女性を接近させ、何度かデートを繰り返し、感情移入させた後に、女性が高価な商品をねだって買わせるという詐欺犯罪です。ジュエリーや毛皮、美術品など商品は様々ですが、販売店も詐欺師とグルで、断ろうとすると強面の男たちに取り囲まれ、脅されて、買わされてしまうというものです。脅されなくとも、「好きな女性の前で恥をかきたくない」という心理が働くことによって、無理して買ってしまう被害者も後を絶たないそうです。
恋愛感情を利用することで詐欺を働き、相手の財産を奪うだけでなく、心に大きな傷を負わせている点で、このような犯罪は非常に悪質と言えます。ただ、言うまでもありませんが、相手に好意を持たせることは、人を操るうえでは基本中の基本です。男女ともに、意中の異性に何かを頼まれたら、多少無理なことであったとしても「NO」と言って断るのは、難しいものなのです。
➀好きな人だと、多少無理な頼みでも断りにくい。
②好意を持たせることで、相手を操ることがたやすくなる。